ガザからの声 2012.11.23

マジダさん(ハンユニス)

ガザの状況を心配してくれている皆さんに何も知らせないのはアンフェアだと思う。
そう。停戦が発効した。そして街頭でお祝いしている人たちがいる。しかしもっとたくさんの人たちはまだ血を流しながら、ちゃんとした治療を受けることができるよう、エジプトや東エルサレムへ行くための「コーディネーション」(ガザを出るための許可)を待ち続けている。
同僚の一人は、病院から病院を駆けずり回って、妹が治療を受けられる手続きを続けている。その女性は、自宅の庭にいるところを撃たれた。パンを焼こうと庭に作った土の竈に向かっていたところだった。
今日、瓦礫の中から子どもたちが救出された。アルダル家の全員だ。その一人が3階の、ロケットが開けた大きな穴から、街頭で祝っている人たちを見ていた。下をしばらく見ていたその子は、部屋の中のがれきやガラスを片づけているらしい兄の方を振り向いてしまった。私は車の中から彼らを見ていた。駆け上って男の子を抱きしめてやりたいと思った。しかし、私の後ろには大音響のスピーカーをつけた車がいて、道路は大混雑していて、私の車は1メートル1メートルと押し出され、男の子の家からそして通りから遠ざかっていった。しかしこの子のことは私の心から消えない。この子への愛と痛みを私は抱え続ける。

お葬式の準備をしている打ちひしがれた人たち、壊された家の残りをなんとかしようとしている人たち。
いかにも新婚用に準備されたアパート。エルサレムとアルアクサモスクのパノラマ写真が飾られた部屋が見える。プライバシーがロケットに侵されたことを受け入れられない。新婚の二人の部屋だけでなく、すべての持ち物とプライバシーが晒され、がれきになっている。まだ煙がくすぶっている家のそば。子どもたちの目が私の心を折る。私には勝利など見えない。私に見えるのは抵抗と復元力。「勝利」はスピーカーからしか聞こえない。
自分の気持ちも今日、街頭で見たこともどのようにしたら伝えられるのかわからない。薬局、パン屋、スーパー、出会った友達・・・。ある友はパレスチナの旗を探していた。ファタハとハマス、両方が写真に乗れば、統一への圧力になるのではないかと。

破壊された地域で私が感銘を受け、力を得たのは、破壊されても立ち、緑を保っている樹木だった。死んでもなお立ち続けているのかもしれない。それとも自然は私たちに苦境を克服して明日を思えと教えているのかもしれない。それが何であれ、私の心に響いたのは確かだ。
もはや写真をアップロードしたり、文を書いたりしないだろう。というのも写真も文章もどんなに悲惨だったとしても、どんなにたくさんあっても、現実とは違うのだ。


テーマ:NPO - ジャンル:福祉・ボランティア

2012.11.23 | | ガザ緊急2012

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